中世石造物研究の第一人者・山川均氏(大和郡山市教育委員会主任)が、伊派石工・大蔵派石工の活躍と系譜に迫ります!石造物を通して、その背後にある時代を代表する高僧の存在にも触れ、中世の仏教社会の一端にも触れる1冊です!!
優れた大石工、伊行末と彼の系譜の伊派、また分派した大蔵派について、石造工芸研究の第一人者、故川勝政太郎氏の研究成果以来の新事実を加え、さらに名工たちの背後には常に時代を代表する高僧が関わっていたことにスポットライトを当てるなど、石造工芸研究での大きな画期と言える一冊です。
■著者:山川均 ■発行:山川出版社・日本史リブレット29 ■A5判116ページ ■初版:平成18年
《目次》
伊派石工と大蔵派石工―石造物が語る中世
1.宋人石工伊行末…般若寺層塔/石工のふるさと/伊行末の作品
2.宝篋印塔とその起源…宝篋印塔とはなにか/出現期宝篋印塔/中国の宝篋印塔/
塔身文様をめぐって/宝篋印塔道元将来説/慶政とその事績/高山寺宝篋印塔造立
3.忍性と石造物…初期宝篋印塔/伊行氏―生駒/大蔵安氏と心阿―箱根
4.叡尊と石造物…逆瀬川層塔―遊女救済/宇治浮島層塔―網代撤廃/般若寺層塔―非人救済/
救済のシンボル/層塔の制作者
5.忍性没後の大蔵派と伊派―忍性五輪塔/忍性没後の大蔵派/忍性没後の伊派石工/
忍性墓五輪塔の制作者/石工たちの系譜