ポンコツおやじ。チンコロ姐ちゃんの富永一朗先生の円型墓

2014/06/09

青空うれしの墓を訪ねて3000キロ

写真家であり日本芸術出版社社長でもある星野小麿センセは、『AMATERAS』という太陽や海、空、雲、夕陽に題材をとった素晴らしい写真集を刊行して話題を呼んでいる高名な方。その小麿センセからのお電話…「モシモシうれしさん、うれしくなるお話でして。椿山荘であんたがやる岡晴夫三十三回忌追想ディナーショーにね、漫画家の富永先生が行きたいと言われてね」「エッ、あの富永一朗先生ですか?」「そう、先生はね岡晴夫さんの歌大好きなんですって」。


平成14年5月23日、ずうずうしくも厚かましくも天下の岡晴夫の歌を20数曲も歌いましたよ、世間の迷惑もかえりみず。そしてホントにおいで頂きました富永一朗先生! 「チンコロ姐ちゃん」大ファンのボクはもう大感激でありました。


以前、巣鴨近辺のお寺や霊園をまわって写真を撮っていて、この富永先生の心和むやわらかな感じの墓石をパチリとやっておいたので、PARTⅢ(『青空うれしのおもしろお墓102話PARTⅢ』小社刊)の中に錦上花を添えて頂くべく星野センセからお願いして頂いたら心より快諾して下さったのであります。尚ご自筆のお手紙と略歴を頂けたのでそのまま載せて頂く事に…。


……墓は10数年前すがも平和霊苑の鎮魂の碑に原画を描いたお礼に建ててくれたものです。平和、円満を願って円型にしました。本院は大分庄内町にあって、そこに吊鐘(しあわせの鐘)を寄進しまして毎年暮れに鐘きに行きます。私の墓のすぐ後ろに遠山金四郎、千葉周作の墓もあります。(本念寺)


◎ライフワーク…昭和58年から限定本の漫画集を自費出版して(日本芸術出版社)今も描き続けています。『一朗ミステリー』『一朗忍者考』『一朗魔女抄』『一朗夢幻抄』『一朗鬼千里』『一朗河童抄』『一朗サスペンス』『一朗女忍譜』『一朗人魚図鑑』『一朗異星人』『一朗鳳雲郷』『一朗狐狸幻郷』


◎代表作…『ポンコツおやじ』『チンコロ姐ちゃん』『せっかちねえや』


◎著書…『快老人生』『一朗歌ごよみ』『ボクの愛する糖尿病』(平成元年に糖尿病、血糖値320を宣言され、その日から20数年飲み歩いていた酒をやめ今日まで1滴も飲んでいません。かっては山手線の各駅前に1軒づつ飲む店があり、1晩に5、6軒はまわっていました。1軒目銀座で2軒目千葉市。1軒目浅草で2軒目成田。1軒目銀座で2軒目京都などのハシゴも今は夢のまた夢です。)


◎富永一朗略歴…大正14年京都市に生まれ、母の里会津田島で育ち、父の里大分県佐伯市で小学校、中学校を終え18年台湾に渡り、20年台南師範学校を卒業。33年杉浦幸雄氏に師事して現在に至る。漫画集『一朗忍者考』(日本芸術出版社)にて昭和61年第15回日本漫画協会賞大賞受賞。平成4年紫綬褒章受賞。平成10年勲四等旭日小綬章受賞。


◎富永一朗漫画館…大分県鶴見町。岡山県川上町。三重県亀山市安全文化村。静岡県修善寺虹の郷。山梨県道志村。福島県塙町。富山県利賀村。長野県大町市昔々亭。群馬県吾妻郡東村。世田谷美術館(所蔵)。愛媛県城川町(所蔵)。別府市美術館(所蔵)。


お墓はすがも平和霊苑に建立済み(写真)