2014/06/09
最近の映画は西部劇が無くってつまらないと云い出したのは春日三球サン。すると同席していた漫才仲間のおぼんサンと昭和のいるサンも全くそうだと生ビールをあおる。ボクと4人でそれから2時間ウエスタン映画談義の花が咲いた。
そしてまず最初に登場したのはやっぱり「駅馬車」だ。娯楽西部劇の歴史を変えたと云われるこの作品でジョン・ウェインは一躍スターになった。三球サンがアパッチ・インディアンに馬車が襲撃されたシーンで脱獄囚のジョン・ウェインがパパーンと撃ちまくって馬車を守ってさ……とやると、すかさずおぼんサンが「駅馬車」のテーマ音楽を口ずさむ。さすが一流漫才の集い。パッパッと話がまとまる。おぼんサンが先日新宿駅からタクシーに乗ったらその運チャンが「私はずーっと10年もこの新宿で駅馬車してます」と云ったんだそうな。この一言が嬉しくて500円チップやっちゃったそうな。
西部の第1人者って誰かなとのいるサン。そりゃ松坂ですよと三球サン。どうしても真面目な会話にならない。のいるサンの1番のお気に入りはアラン・ラッドの「シェーン」だとか。悪役のジャック・パランスと0.6秒のガンファイトが格好良くてしびれたとか。するとおぼんサンがボクも昨夜足がつれてしびれたねとまたまた脱線。
そこで最も真面目なうれしサンが好きなウエスタンの役者は?と話をレールにのせてやる。のいるサンがヘンリー・フォンダ。バート・ランカスターだなと答え、続いて三球サンが私はスティーブ・マックインとジェームス・スチュアート。それにグレゴリ・ペック。ちょっと誰か忘れやしませんかとボク。ゲーリー・クーパーとアラン・ラッド。フランコ・ネロとカーク・ダグラス。のいるサンが西部劇の女優サンわかる?にアッ、意外に女優が出て来ない。ボクが「死の谷」のヴァージニア・メイヨと云うと、のいるサンがマリリン・モンローも「荒馬と女」に出てたよとさすがくわしい。モーリン・オハラって居たよねと三球サンが云うと小原庄助の娘?とのいるサンが先刻のお返しをする。意外と云えばあのモナコ王妃になったグレース・ケリーが西部劇に出ていた。「真昼の決闘」でゲーリー・クーパーとの共演。
そしてこの4人が一致してナンバーワンに押したのが「荒野の決闘」である(後にOK牧場の決闘として再登場)。この映画のテーマ曲「愛しのクレメンタイン」はウエスタン音楽の最高傑作ですねと音楽通のおぼんサン。保安官ワイアット・アープと結核病みのドク・ホリデイという実在の人物の伝記物で、単なる撃ち合いでなく詩情豊かに描かれていてもう一度見たい映画のひとつである。
このワイアット・アープの墓を偶然サンフランシスコのホリクロス墓地で見つけた時は感動のあまり拳銃を抜く格好をして、「愛しのクレメンタイン」を歌ってきた。帰国したら年のクレでメンタイが贈られてきた。
写真=サンフランシスコのホリクロス墓地にあるワイアット・アープのお墓