オーギュスト・ロダン ~“近代彫刻の父”の墓標は『考える人』
ロダンの墓。『考える人』の原型は足下が地獄。あえてそこに眠るのは彼の意思なのか
「芸術家である前に人間であれ」(ロダン)。豊かな生命力と、力強い精神性を秘めた人物彫刻を多数生み出したロダン。ミケランジェロ以降の最大の彫刻家で、単に外見をモデルに似せるだけでなく、内面世界まで形にしようとした。
1840年、パリ生まれ。子どもの頃から絵を描くのが好きで、14歳より工芸学校に通い始める。粘土を握る楽しさに開眼したロダンは、専門教育を受けるべく国立美術学校の入学を目指したが3度にわたって失敗。入学を断念し、建築装飾の職人となり独学で彫刻を学んだ。
24歳で生涯の伴侶となるローズと出会い長男が誕生。同年、サロン(美術展)に出品するが落選し、以降13年間は世に出ることもなく黙々と作品を造り続けた。